DIY型賃貸 契約書(雛形)

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まちづくり新拠点(キャッチコピー考え中)のNAKANO DROPはDIYしてもOKな賃貸契約でお借りしています。

おそらくまだ一般的ではない賃貸借の形態ですし、借り手と貸し手の負担のバランスを整合させるのが難しいので賛否両論あるかと思いますが、空き家活用のアプローチとしては有用な手段のひとつです。

はじめに

この記事で公開しているものは、国土交通省が発行している「DIY型賃貸のすすめ」をベースにしたものですが、今回の事業所賃貸に際して自身のリノベーションの規模などを考慮して一部簡略化したり特約を追加したものになります。あくまで個人用に作成を依頼したものなので、普遍的に当てはまる項目と、変更が必要な項目はそれぞれ利用者によって違うと思います。この雛形をカスタマイズして両者納得のいくDIY型賃貸の契約にお役立ていただければ幸いです。専門的な知見が必要になる変更については、宅建士や司法書士の方にお問い合わせされることをお勧めします。

契約書

解説

第6条:火災保険

契約期間中は、家主さんが建物に対して火災保険を付けることになりますが、建物内の造作物や備品などの物に対しては借り手さんのほうで火災保険に入りましょう。

第7条:契約期間中の修繕

基本的に物件とその設備の修繕やメンテナンスは自分の責任ですが、大きな損傷や破損があった場合は、オーナーさんが修理する義務があるので、都度話し合いできるようにしておくとよいでしょう。第17条の特約条項に関係してきます。

第14条:明渡し時の原状回復義務の免除、造作買取請求権の放棄

物件を返すとき、特別な条項(第19条)に従って、物件を元の状態に戻す必要はないですが、故意や過失によって物件を損傷した場合、その修復についてはオーナーさんと話し合う必要があります。今回は物件の改良に対する買取請求権は放棄する設定にしましたが、ここはそれぞれの契約バランスで判断すべきだと思います。例えば、貸主都合による一方的な解約の場合は買取請求権を行使できるみたいな条文か特約を追加しておいてもよかったかもしれませんね。

第17条:特約条項

ここが一番大事なポイント。第9条第2項で定められている「増築、改築、移転、改造、または模様替え、または物件の敷地内に工作物を設置する」ことに関連する部分(設置した造作や工作物を含む。)についてです。

この工事部分についての修繕や原状回復は、第7条や第13条の規定に関わらず、第9条第2項に基づく家主さんの承認書や、承諾書と一緒に交わした合意書に記載された規定に従うことになります。この工事部分に関する所有権の帰属や費用の精算についても、同様に扱うこととなっています。

つまり、物件の増築や改築などをする際には、家主さんとの間で合意が必要で、その合意書に従って施工することになるということ。効力は第7条や第13条の規定よりも優先され、工事部分の修繕や原状回復、所有権の帰属や費用の精算についてもその合意書に従うこととなっています。

合意書

解説(要点抜粋)

1. 施工及び施工状況の確認

この項目は、増改築等を行うときの注意点と手続きを説明しています。施工者(乙)は、施工中に他の人や物件に損害を与えないようにしなければならない。もし損害が発生したら、乙が責任を持って解決しなければならないよと。また、増改築等を始める前には、乙と契約者(甲)でしっかり話し合い、互いに確認しなければならないよってことですね。

2. 所有権の帰属

新しく作った部分の所有権はどうなるか。別紙の計画書に記載の通りとするってなわけですね。退去時に残す部分は、オーナーさんに譲渡する形になっちゃうので、慎重に検討しましょう。

4. 明渡し時の撤去等及び原状回復義務

今回は、契約終了時に自分が作ったものは全部そのままにして、元に戻さなくていいという設定にしてあります。というのも、一般的に空き家の場合はDIY施工=アップグレードになりますので、退去時にわざわざ手間暇かけて元のあまりよくない状態に戻すのもおかしな話ですから。

5. 明渡し時の精算等

契約書の第14条と同じですが、原状回復しませんけど買取請求もしませんよということですね。この部分をフェアととるかアンフェアととるかは、工事の規模や費用、使用期間などに応じて変わってきますので各自契約バランスをよーく検討する必要があります。

申請書

合意書の1で必要になる申請書兼承諾書ですね。増改築してもいいですか-いいですよ のやつです。

概要(別表)

合意書の2で登場する別紙の計画書です。どんな内容の工事をしますか?退去時にモノは残して行きますか?or持って行きますか?など、合意書の1(施工及び施工状況の確認)の際に是非活用して頂きたいですね。参考までに今回の場合の記入例も付けておきます↓

備考欄の写真についてはこのような資料を添付しています↓

まとめ

冒頭でも書いたように、あくまでDIY型賃貸の一例として捉えて頂ければと思います。空き家物件の場合は大前提として賃料が相場より格安に設定される必要があります。その分改修工事に費用がかかるということです。個人的な感想ですが、特にお店などやられる方には改修工事期間を予め定めておいてその間は賃料無しとかのほうがあえて空き家物件を使うメリットになってくるんではないかなと考えたりもするわけです。貸し手と借り手双方にとって、より良い契約内容とはどんなものなのか。そしてそれは現行の法律のうえで効力を持つのか。今回の契約内容の範囲で当該物件を使っていく過程で引き続き考えていきたいと思います。

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