砂壁の良いところ?
そもそも何で古いお家の内装には砂壁が多いのか。
和風建築のお家で昔ながらの工法が使われているのにはやはりそれなりの理由があるようです。
- 耐火性が高い
砂や土などの無機質で燃えにくい材料で作られているので火に強いそうです。 - 調湿効果がある
高温多湿な気候の日本では砂壁の調湿効果(高湿度→吸湿、低湿度→放湿)が、
室内の湿度を一定に保つ為に適しているようです。 - 有害物質を吸収する
シックハウス症候群(室内の空気が建材等から発生する化学物質に汚染されることで起こる体調不良)の原因となる有害物質を吸収してくれる働きがあるようです。

何故DIY?
砂壁は劣化すると壁材の密着力が弱くなり、壁面が削れやすくなるのでボロボロと落ちてきます。
いくら掃除してもキリがないので、塗り替えようと思ったのですが、業者さんに壁の修繕をお願いするとけっこう高いのね…(壁面積にもよりますが相場は5万~10万)ということで、人生初DIY!
空き家の利活用においても、DIYはいつか必ず通る道。これも勉強だと思い、前向きな気持ちでスタートしました。
漆喰と珪藻土
今回、砂壁をDIYするにあたり漆喰にするか珪藻土にするかで迷いました。
両者の違いをまとめてみると以下のような結果に。(あくまで個人的なリサーチ結果です。)
カラーバリエション | 仕上がり | コスパ | 性能 | |
漆喰 | 基本は白。色付きはちょっと割高。 | ツルツル | モノによる。オーガニック系(?)は高い。 | 調湿:× 消臭:○ 防カビ:△ |
珪藻土 | いろんな色が選べます。 | ざらざら | 上に同じ。漆喰より若干安い(?) | 調湿:◎ 消臭:△ 防カビ:× |
元々、砂壁で施工されていたということは、家の中でもある程度の調湿性が必要な場所なのかなと思い、今回は珪藻土でやってみることにしました。
準備が大事
珪藻土を塗る前に、シーラーで下地を作るのですがこの準備作業がもう大変でした…
Step.1 とにかく養生
どかせるものはどかして、周辺の異なる材質の壁など汚れたらまずい部分をひたすらマスカーとマスキングテープで養生。マスカーは便利ですが、扱いづらいのでカッターナイフ必携です。

Step.2 砂を落とす
今回使用した下地処理剤の説明欄には、「砂壁がボロボロ落ちる場合は掃除機等で清掃」と書いてあったので、とりあえず触って落ちてくる砂は全部落とすことに。
手でやった方が早いのではと思いスポンジでこすってみるとかなりの量落ちました。そして、ものすごい粉塵が舞います。一瞬で家の中が砂漠化するので養生しておいて本当によかったです。厚めのマスクも必携です。


Step.3 シーラーを塗る
上記1,2の行程を経て既に疲労困憊。いったん作業を切り上げて翌日シーラーを塗ることに。
この作業をしないと、後々アクが浮き出てきてしまうそう。二度塗りして乾くまで待つと、壁面の砂が固まりました。これでようやく珪藻土が塗れる状態。
準備だけでこんなにも大変なのかとDIYの厳しさを思い知りました。

やっと本番の珪藻土!
準備作業さえしっかりとやっていれば、あとはひたすら珪藻土を塗っていくだけなので、根気の問題。
一応youtubeで少し予習してから、いざ作業開始!
実際やってみると鏝を使って塗るのが難しい…動画みたいに綺麗に材料を押し延ばせない…最初のうちは適量の加減もわからないし、鏝を壁に押し当てる角度もなんとなくで。もうどうにでもなれと思いながらやっていると段々とコツを掴んできて、二度塗りする頃にはストレスなく作業できました。

何度も心が折れそうになりながら、無事塗り終えました(泣)


まとめ
時間
:準備や乾かす時間などを含めてだいたい3日ぐらいかかりました。
費用
:1万5千円ぐらい
[だいたいの内訳]
・マスカー×3:¥1000
・マスキングテープ×3:¥500
・ローラー:¥200
・鏝:¥1500
・シーラー:¥3500
・珪藻土10㎏:¥6000
学び
- 準備の段階で手を抜くと仕上がりに影響が出るので、大変でしたが一つ一つのプロセスを丁寧にやらなければいけない。改めて職人さんの凄さがよくわかりました。
- 砂壁の性能や漆喰と珪藻土の違いを学ぶ良い機会になりました。
反省
- 養生があまかったところはシーラーや珪藻土が付着してしまいました。
- 仕上がりがザラザラなので珪藻土になっても、砂壁のときにイヤだったボロボロ落ちるところは完全に改善できたわけではないのかなと少し心配です。
感想
なにしろ初めてのDIYなもので、あれこれ調べながら見様見真似でギリギリなんとかなったというのが正直なところです。初めから綺麗に仕上げることは諦めていて、塗りムラも『味』としてやってます的な雰囲気でいこうと考えていたので、完璧を求めずに取り組めたことが気持ちの余裕に繋がりました。「自由度」と「節約」というDIYの醍醐味を体感できて、今後も続けていこうと思えました。
