初めての床DIY。Part.1では畳を剥がし、根太を組んで断熱材を敷きました。
今回はその続き。合板を張って、仕上げの床材を張ります。
合板張り
使用した合板は厚さ12㎜の針葉樹合板。これを20畳分(20枚)捨て張りします。
石膏ボードではないですが、建築現場ではこのように床や壁の下地に使う物を総称して「コンパネ」と呼ぶことが多いそうです。
合板を根太のうえに張る場合、厳守すべきことがあります。それは、
合板同士の継ぎ目は必ず、根太の上にくるようにすること!
そもそもこの合板の捨て張りは厚みの補填・床材の安定と、強度増加が目的です。
しかし、板と板の間の継ぎ目はどうしても荷重への耐性が弱くなりがちです。
その為、しっかりとビス留めした根太の上で継ぐことにより強度を損なうことなく下地が作れるのです。
床張り
さて、いよいよ今回のDIYの山場です。材料選びの段階から既にから苦戦を強いられました。
昨今のウッドショックの影響でフローリング用の木材も高騰中…
予算的に厳しいなあと困っていたとき、
いつもお世話になってる大工さんからのご提案で「野地板」を使ってみてはどうかと。
野地板???なんだかワイルドな名前ですね。
野地板とは
屋根構造の下地材で、屋根材の下のルーフィング(防水シート)と垂木の間にある部材のこと。
屋根自体の形を形成し保持するとともに雨漏りを防止する役割があります。
外からは見えない(野)下地という意味で野地板というそうです。
問題点
そんな野地板を使う上で、問題点がひとつ。
それは、床材用の加工が施されていないということ。そりゃそうですよね 笑。
本来、屋根裏に張るものなんですから。
しかし、探せばあるものですね~。
なんと、サネ加工済みで、なんとなんとプレナー加工までしてある野地板を見つけました!
これは絶対キーワードを知らなければ辿り着くことができませんでした。
改めて、棟梁に感謝です。
床張りの極意
合板の上に床材を張るうえでの鉄の掟…
それは、
これは柔らかい素材のスタイロフォーム(断熱材)の上で、合板を継がないようにしたのと同じ理由で、なるべく強度を落とさない為に合板同士の継ぎ目上では、床材同士の継ぎ目を作らないということです。大工さんや設計士さんは普段のお仕事でここまで計算しているのかと思うと、本当に恐れ入ります…いったい何手先まで読んでいるんでしょうか…(将棋とかチェスとかめっちゃ強そう。)
釘打ち
フローリングの打ち方にはいろんなやり方があるそうですが、今回は一番初心者向けのやり方を教えて頂きました。
名付けて、、「真鍮釘 脳天打ち」!そのまま!笑
床材の厚みによりけりだそうですが、
今回使用した野地板の厚みは10.5㎜と比較的薄めのものなので釘と併用で床材用のボンドを塗りました。
新築の現場などを手がける大工さんたちは、
たとえ自分の指を犠牲にしてでも、
キレイに仕上げるんだという気概をもって仕事に臨むと聞き、職人魂にシビれました。
あと、今まで気にしたことがなかったんですが、ハンマーってよく見ると片方だけ少し丸みを帯びた面になっているんですね。
ラスト2,3発の打ち込みで対象物を傷つけないようにそうなっているらしいです。
特に今回の床張りにおいてはとても大事なテクニックのひとつでした。
テクニックといえば、
棟梁の教え:その参 木っ端を活用すべし
暴れる(曲がりや歪みのひどい)板を矯正したり、同じ幅や厚みの墨だけ出したいときなどには木っ端をうまく活用すべし。です。
これもとても勉強になりました。
最後の仕上げ
なんとか無事に床を張り終えて、最後の仕上げオイルコーティングをしました。
終わったらワックスとかかけるのかな~となんなく素人考えでいたのですが、
いつもお世話になっている木工製作所の方からワトコオイルでやってみるといいよと
アドバイスを頂き、早速使ってみることに。
なんでオイル?
それは木の呼吸を止めない為です。
今回使ったような無垢材は製材された後でも呼吸(調湿)しているんだそう。
ちなみに、オイル塗装で仕上げることにより軽めの傷などは後々補修できるとのこと。
ウエスで塗る
ワトコオイルの説明書には、塗布面を細かめのやすりでやすりがけし、
ハケでオイルを塗り、乾いたらまた耐水の細かめのやすりでやすりがけをすると書かれていましたが、今回はウエスで拭くように塗り込んだだけ。( 端っこの細かいところはハケを使いましたが 。)
木工製作所の方曰く、それで充分だそう。プロが言うんだから間違いないでしょうってことでやってみるとなるほど充分な気がします。クリア系のナチュラルを選んだので、しっとりとした質感に仕上がり大満足です!
感想
一連の合板張り・床張り・オイル塗装の工程は、DIYイベントとして企画。
地域の建築会社と木工製作所の方に講師としてお越し頂き、建築コースに通う高校生と一緒に作業をしました。
高校生達からは「進路について具体的なイメージを持つきっかけになった」「地元に素敵な仕事をしている職人さんや設計士さんがいることが知れて将来のモチベーションに繋がる」などの声があがり、テレビや新聞の取材も来て頂いたので、(利活用の観点から)空き家問題の認知度向上+地域の職人さんとその道を志す学生の交流 という企画の趣旨に沿った取り組みになったと思います。
正直、初心者の私には難易度高めなDIYで、最初は諦めようかととも思いましたが、
関わってくださった方々のご協力のおかげで無事、畳からフローリング化に成功しました。ありがとうございました!