相続財産管理人制度について(空き家対策の観点から)まとめてみた

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どんな制度?

相続人がいるのかいないのかがわからない場合に、利害関係人または検察官からの申立てによって、
家庭裁判所が財産を管理する人( 相続財産管理人 )を選任をする制度。
相続財産管理人は相続財産を調べて、管理・精算し、余った財産は国に返します(国庫帰属)。
管理人の調査費用や報酬などは相続財産の中から支払われます。

利害関係人とは?

  • 亡くなった人に対して債務の弁済を請求する権利を持つ人
  • 被相続人が選んで決めた財産の受遺者(遺言によって財産をもらい受ける人)
  • 特別縁故者
  • 被相続人と財産を共有している人
  • 相続放棄した元相続人や元包括受遺者

対象となるケース

  • 亡くなった人にとって、法定相続人となる親族が全く居らず、遺言もない
  • 法定相続人となる親族が居るが、全員相続放棄している。

空き家との関連は?

平成30年に制定された、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(長いですよね。笑 通称:所有者不明土地法といいます) の第38条において、「地方公共団体の長は、所有者不明土地につき、その適切な管理のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所に対し相続財産の管理人の選任の請求をすることができる。」と、あります。

つまり、周辺環境に悪影響を与えているのに誰も管理する人がいない空き家に対して、このままじゃダメだよねって場合には市町村長が相続財産管理人制度の申立人になれるよっていうことなんです。

手続きの流れ(例)

空き家の適切な管理についてはこちら↓

不在者財産管理人との違いは?

遺産分割協議は相続人全員が行わなければなりません。そのときに相続人の誰かが行方不明だと協議ができないので、家庭裁判所に申立てて、不在者の財産を管理してくれる人( 不在者財産管理人 )を選任してもらい、行方不明者の代わりに遺産分割協議に参加してもらうという制度です。

財産を清算することが職務である相続財産管理人との違いは、
財産を管理・保存することが不在者財産管理人の職務であるというところです。

まとめ

実際に、相続財産管理人制度を使わなければならない案件と現在進行形で関わっていますが、
とにかく複雑です。制度の概要について理解したつもりではいるものの、いざ書類の山と向き合うと
一つ一つのプロセスが多くてかなり大変。市町村が申立人となり管理人の選任が認められた事例もいくつかありますが、この制度は打つ手なし状態の空き家に対する最終手段のひとつのような気がします。

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